マンション改修で選ばれる提案書の作り方――管理組合・理事会に響く実務ポイント

マンション改修工事では、施工力が高い=受注できるとは限りません。
実際の受注可否を左右するのは、「提案書の分かりやすさ」と「安心感」です。
特に管理組合・理事会は建築の専門家ではないため、
**技術力よりも“理解できる説明”**が重視されます。
本記事では、中小工事会社でも実践できる「選ばれる提案書」の作り方を、実務目線で解説します。

目次
1. マンション改修の提案書で見られているポイント
管理組合・理事会が提案書で見ているのは、主に以下の点です。
- 本当にこの工事は必要なのか
- 住民にどんな影響があるのか
- 工事中の安全・騒音・臭い対策
- 将来の修繕コストはどうなるのか
つまり、
「工事内容」より「住民目線の説明」が重要です。
専門用語が多く、工事側目線だけの提案書は、
どれだけ正しくても選ばれにくくなります。
2. 選ばれる提案書の基本構成
マンション改修で評価されやすい提案書は、次の構成が基本です。
① 工事概要(なぜ必要か)
- 劣化状況の写真
- 放置した場合のリスク
- 今回の改修目的
👉 「なぜ今やるのか」を最初に明確化
② 現状調査結果の見える化
- 打診調査結果図
- 劣化箇所マップ
- 写真+簡単なコメント
👉 専門用語を使わず
「この部分が危険」「ここは問題なし」と明確に。
③ 工法選定の理由
- 採用工法の説明
- 他工法との比較(簡易でOK)
- 耐久年数・メリット・注意点
👉 「なぜこの工法なのか」を説明できる会社は信頼されます。
④ 工事中の配慮事項(重要)
ここは評価が分かれるポイントです。
- 騒音・振動対策
- 共用部養生
- 居住者への周知方法
- クレーム発生時の対応フロー
👉 「住民対応まで考えている会社」は非常に強い。
⑤ 工期・工程表
- 全体工期
- 住民に影響が出る期間
- 作業時間帯
👉 曖昧な表現は避け、具体的に。
⑥ 見積の考え方
- 工事項目ごとの説明
- 想定外対応の考え方
- 追加工事が発生する条件
👉 「後から増えない」安心感が重要です。
3. 提案書でよくあるNG例
現場では、次のような提案書がよく見られます。
- 専門用語だらけで理解できない
- 写真がなく、文章のみ
- 見積が「一式」ばかり
- 住民対応の記載がない
これらはすべて、
**「不安を与える提案書」**になってしまいます。
4. 中小工事会社が差別化できる提案ポイント
大手に勝つ必要はありません。
“丁寧さ”で十分に差別化できます。
実務で効果が高い工夫
- 現場写真に手書きコメント
- 工事中Q&Aページの追加
- 担当者の顔写真・連絡先明記
- 過去事例(小規模でもOK)
「この会社なら話しやすそう」
そう思ってもらえるだけで、選定確率は上がります。
5. 管理組合・理事会で刺さる一言
提案説明時に効果的な言葉があります。
- 「住民の生活を最優先で考えます」
- 「工事後のトラブルを減らすための工事です」
- 「将来の修繕費を抑える選択です」
価格より“理由”を説明できる会社が選ばれます。
6. 提案書は“営業資料”ではなく“説明書”
マンション改修の提案書は、
売り込む資料ではありません。
- 不安を減らす
- 判断しやすくする
- 納得してもらう
この3点を満たすだけで、
管理組合・理事会からの評価は大きく変わります。
まとめ:選ばれる提案書は「工事が想像できる」
マンション改修で選ばれる提案書とは、
工事の全体像が頭に浮かぶ提案書です。
- なぜ必要か
- どう進むのか
- 住民はどうなるのか
これを丁寧に示すことが、
受注への最短ルートになります。