ユニットバス交換工事の基本と実務ポイント――解体から施工・設備接続まで徹底解説

ユニットバス交換工事は、住宅設備リフォームの中でも最も工程が多く、作業スペースも限られるため、現場管理のレベルがそのまま利益に影響する工事です。
特に「解体」「給排水移設」「電気」「換気」「土間」「防水」「組立」と関係業種が多く、段取りの良し悪しで1日以上の差がつきます。本記事では、初心者の工事会社でも失敗しないよう、実務の流れを1700字でまとめて紹介します。
1. 事前調査で必ず確認するポイント
ユニットバス交換工事は、事前調査の精度がそのまま工期と追加工事の有無につながります。以下のチェックは必須です。
●① 既存UBのサイズ・開口寸法
メーカーにより「1216」「1317」などのサイズがあるが、
・入口開口幅
・天井高
・梁の位置
・ドア枠の納まり
を実測しないと、新しいUBが「入らない」トラブルが起こる。
●② 床下・天井裏・配管ルート
調査時に必ず点検口を開けて確認する。
・排水位置の芯
・給水・給湯のルート
・追い焚き配管の種別(銅管・樹脂管)
・換気ダクトの径
・電源の有無(200Vか100Vか)
特に排水芯が新UBとズレているケースは多く、事前に移設の可否を判断しておくことが大事。
●③ 脱衣所との段差・床下の状態
ユニットバスは「床高さ」がメーカーで微妙に違うため、既存と比べて脱衣所側との段差が大きくなることがある。
→ 床のかさ上げや見切り調整が必要な場合は、見積段階で説明するとトラブル防止になる。
2. 施工の流れ(実務手順)
ここでは、現場で実際に行う作業を一連の流れで解説します。
① 初日:既存ユニットバスの解体
解体は最もトラブルが発生しやすい工程。
ポイントは「勢いで壊さない」「水漏れ・騒音対策」「近隣配慮」。
解体の順番は以下の通り:
- 給水・給湯・ガスの止水・閉栓
- 換気扇・照明の撤去
- 天井パネル解体
- 壁パネルの撤去
- 浴槽の取り外し
- 床パンの撤去
- 土台・下地の確認
- 排水管のキャップ
注意点:
・壁の裏に配線があるケースが多い
・床下の土台腐食が見つかりやすい
・追い焚き穴の周囲が劣化していることが多い
傷つけやすいのは「脱衣所の床・壁」。養生は徹底する。

② 大工・設備工事(下地・配管調整)
解体後は、配管や下地の調整作業に入る。
ここでの精度が新しいUBの“納まり”を決める。
●排水芯の移設
メーカー指定の中心位置に合わせる必要がある。
→ キッチンより移設量が大きく、既設の配管状態次第で難易度が変わる。
●給水・給湯
床下に露出させず、壁・床下で処理する。
最近は架橋ポリの現場が多い。
●追い焚き配管
樹脂管なら接続も容易だが、銅管の場合はルート変更が必要になる。
●電気配線
・照明
・換気乾燥機(100V/200V)
・リモコン
・暖房換気扇
これらの専用回路も確認する。
●大工下地
・梁の欠きこみ
・入口枠の調整
・点検口の位置
が重要。
③ 2日目:ユニットバスの組立
メーカーの組立職人が行うが、工事会社としてもポイントを把握しておくべき。
●床パンの設置
水平は必ずレーザーで確認。
床パンの水平が狂うと、排水性能が落ち、床鳴りの原因になる。
●壁パネルの建て込み
裏の受け材・構造材の位置をしっかり固定。
継ぎ目は精度が出るほど仕上がりに差が出る。
●天井パネル・換気扇取付
ダクト接続は確実に固定する。
ブーツの差し込み不足が後の結露・水漏れにつながる。
●浴槽設置
エプロン部の納まりは仕上がりチェックを厳しく。
●コーキング
浴室のコーキングは仕上がり品質に直結する。
プロならではのラインを作れるかで評価が変わる。
④ 3日目:仕上げ工事(電気・設備・入口枠・床)
UB組立後に行う仕上げ:
- 給水・給湯・追い焚き接続
- 排水トラップ接続
- 換気扇ダクト固定
- 入り口枠の仕舞い
- 洗面所側のクロス・CFの復旧
- 動作確認(一番重要)
チェック内容:
- 給水・給湯の漏れ
- 排水漏れ
- 追い焚き動作
- 換気扇風量
- ドア開閉とパッキン
ここでの検査を丁寧にすると、引き渡し後のクレームは驚くほど減る。
3. よくあるトラブルと防止策
●① 新しいUBが「入らない」
→ 入口開口寸法・搬入ルートを必ず事前確認。
マンションは特に注意。
●② 排水接続のミス
→ 排水芯の高さ・奥行き・中心位置の事前照合を徹底。
●③ 追い焚き配管の破損
→ 古い銅管は折れやすいので慎重に扱う。
●④ 換気ダクトの内部結露
→ ダクト径・勾配・差し込み深さのチェックが重要。
●⑤ 脱衣所の床が沈む
→ 解体後の下地確認を必ず行う。追加費用説明も必須。
4. 初心者工事会社が利益を残すポイント
- 段取り命(解体 → 設備 → 大工 → 組立 → 仕上げを無駄なく)
- メーカー組立班との連携を事前に密にとる
- 追加工事が出やすい箇所(下地・排水位置・追い焚き管)は先に説明
- 養生を徹底して、クレームコストをゼロに
- 写真記録を残して信頼性アップ
ユニットバス交換は単価が高いため、1件あたりの利益も大きい工事です。
その反面、工程管理の不備は赤字につながるため、実務の標準化が重要となります。