ガラス工事に使われる工具・機材

ガラス工事は、建築の中でも繊細さと安全性が求められる分野です。割れやすく重量のあるガラスを正確に施工するためには、専用の工具や機材が不可欠です。今回は、ガラス工事に欠かせない代表的な道具を取り上げ、その特徴や役割を解説します。
1. ガラス工事における工具・機材の重要性
ガラスは透明で美しい反面、「割れやすく・鋭利・重い」という特性を持っています。そのため、木材や金属とは異なり、一般的な工具だけでは安全に扱うことができません。
ガラス工事では、
- 加工の精度を高めるための工具
- 搬入や設置を安全に行うための機材
- 仕上がりの品質を保つための補助具
が必須であり、職人たちはこれらを適切に使い分けています。
2. ガラス切断に使う工具
ガラスカッター
ガラスを加工する際の基本工具が ガラスカッター です。
先端にはダイヤモンドや超硬合金の刃が取り付けられており、ガラス表面に細い「切り筋」を入れることで割りやすくします。
- オイル入りカッター:切断面を滑らかにするため潤滑油を内蔵
- ローラー式カッター:安定した切り込みが可能
カッターで線を引いた後、軽く力を加えると割線に沿ってガラスがきれいに割れる仕組みです。
ランニングプライヤー
カッターで入れた筋に沿って、正しく割るための工具が ランニングプライヤー。
均一な力を加えることで、不要なひび割れを防ぎ、正確に割断できます。
3. 運搬・設置に使う機材
吸盤リフター(ガラスリフター)
大型ガラスを安全に持ち運ぶための代表的な道具が 吸盤リフター です。
真空吸盤でガラス面に吸着し、持ち上げたり移動させたりできます。
- ハンドリフター:小型で手作業に向く
- 大型真空リフター:機械に取り付けてクレーン作業に活用
ガラスは滑りやすいため、吸盤リフターは職人にとって必須の「相棒」です。
キャリー台車
長尺や重量ガラスの搬入には、専用の キャリー台車 が使われます。ガラスを立てた状態で保持できるため、破損リスクを抑えながら搬送可能です。
4. 取り付け・固定に使う工具
シーリングガン
ガラスとサッシの隙間を埋めるために必要なのが シーリングガン。
シリコンや変成シリコンなどのシーリング材を均一に打ち込み、防水・気密性能を確保します。
- 手動式:小規模工事向け
- エア式/電動式:施工スピードを重視する現場で使用
ガラス工事における「仕上げの精度」は、このシーリング作業で決まるといっても過言ではありません。
サッシ調整工具
ガラスをサッシに収める際には、枠や金具の微調整が必要です。
専用の スパナ・ドライバー・スペーサー を駆使し、ガラスが適切に固定されるよう調整します。
5. 加工・補助に使う道具
エッジ研磨機
切断したガラスの端部は鋭利で危険なため、エッジ研磨機 で角を丸めます。これにより、安全性と美観が向上します。
ガラスクリップ・スペーサー
設置中にガラスを仮固定するための補助具が ガラスクリップやスペーサー。
水平・垂直を保持しながら施工するために重要な役割を果たします。
6. 大型工事で用いられる機械
クレーン・ホイスト
高層ビルや大型施設の施工では、重量ガラスを設置するために クレーンやホイスト が活用されます。真空リフターを併用することで、数百kgのガラスを高精度で取り付け可能です。
自動切断機・NC加工機
大量のガラスを同一サイズで加工する場合、自動切断機やNC加工機 が使用されます。工場での高精度加工により、現場での作業効率を飛躍的に高めます。
7. 安全を守るための保護具
ガラス工事の道具として忘れてはいけないのが 保護具 です。
- 耐切創手袋(カットガード手袋)
- 保護メガネ
- 安全靴(鋼鉄先芯入り)
- ヘルメット・安全帯(高所作業用)
工具・機材と同じくらい、これらの装備が職人の命を守ります。
まとめ
ガラス工事は、専用工具と機材なしには成り立ちません。
カッターやランニングプライヤーでの加工、吸盤リフターや台車での搬入、シーリングガンや補助具による仕上げ、さらに大型工事ではクレーンやNC加工機が活躍します。
「割れやすく重い」ガラスを安全かつ正確に施工するためには、これらの道具を熟練の技とともに使いこなすことが不可欠です。