足場の設置から解体まで ~基本工程と安全管理の流れ~

建設現場で欠かせない足場工事。安全で効率的な作業を支えるためには、設置から解体までの一連の工程を正しく理解することが重要です。本記事では、足場工事の基本的な流れを追いながら、それぞれの工程で求められる安全管理のポイントについて解説します。


1. 現地調査と計画立案

足場工事は、現地調査から始まります。建物の構造、敷地の広さ、周辺環境を確認し、安全かつ効率的に足場を設置できるかを検討します。

  • 建物の形状:屋根の勾配や外壁の凹凸によって、必要な足場の種類や配置が変わります。
  • 周辺環境:隣地との距離や道路幅を確認し、資材搬入ルートや設置スペースを計画。
  • 作業内容:塗装、改修、解体など作業目的によって必要な足場の強度や高さが異なります。

調査結果をもとに施工計画を作成し、作業手順や使用資材、安全対策を具体的に定めます。特に都市部では、近隣への配慮や占用許可の申請が必要になるケースもあります。


2. 資材搬入と準備作業

計画が固まったら、次は資材搬入です。枠組足場や単管パイプ、くさび式足場など、現場に応じた部材をトラックで運搬します。

搬入時には以下の点に注意します。

  • 資材置き場の確保:狭小地では特に重要。安全に作業できるスペースを確保する。
  • 資材の整理整頓:種類ごとにまとめ、組立時にすぐ取り出せるよう配置。
  • 周辺への安全配慮:搬入経路に歩行者がいないかを確認し、誘導員を配置することも。

準備段階での整理整頓が不十分だと、組立工程での作業効率や安全性に大きく影響します。


3. 足場の組立

いよいよ足場の設置です。組立は熟練した鳶職人が中心となり、計画図に従って進められます。

基本的な流れ

  1. 基礎の設置:地盤が安定しているかを確認し、ベース(敷板やジャッキベース)を水平に設置。
  2. 縦支柱の建て込み:足場の骨格となる支柱を立てる。
  3. 水平材の取り付け:転倒防止と強度確保のために水平材を設置。
  4. 作業床の設置:板や踏板を敷き、作業員が安全に歩けるようにする。
  5. 手すり・幅木の設置:墜落防止のため、作業床には必ず設置。

組立時には、足場の高さが5m以上になる場合は「足場組立等作業主任者」の資格を持つ者が作業を監督します。また、組立中も墜落や転倒を防ぐため、親綱や安全帯の使用が必須です。


4. 点検と使用中の管理

足場は組み立てたら終わりではありません。使用前に必ず点検を行い、安全性を確認します。

  • 部材の固定状態:緩みや外れがないかを確認。
  • 作業床の強度:踏板のがたつきや破損がないかを確認。
  • 安全設備:手すりや幅木、シートの取り付け状態を点検。

また、使用中も定期的な点検が必要です。特に台風や強風、大雨の後には、シートのはがれや部材の緩みが生じやすく、事故につながる恐れがあります。安全管理者や作業主任者が責任を持って点検を行うことが義務付けられています。


5. 解体作業

工事が完了すると、最後は足場の解体です。組立と同様、計画に基づいて安全に進めます。

解体の基本手順

  1. 上部から順に撤去:高所から下へ、逆順に解体していく。
  2. 資材の仮置き:落下や散乱を防ぐため、一時的に整理しながら下ろす。
  3. 搬出作業:トラックに積み込み、資材を倉庫や次の現場へ移送。

解体時は、組立以上に事故リスクが高いと言われています。なぜなら作業床が減っていくため、足場が不安定になりやすいからです。安全帯の使用や声掛け確認が欠かせません。


6. 安全管理のポイント

足場工事では常に「安全第一」が求められます。特に重要なポイントを整理すると以下の通りです。

  • 作業主任者の配置:一定規模以上の工事では必須。
  • 保護具の着用:安全帯、ヘルメット、滑りにくい靴の徹底。
  • 近隣対策:防音・防塵シートの設置、作業時間の配慮。
  • 教育と周知:作業員全員へのKY活動(危険予知活動)の実施。

事故の多くは「慣れ」や「油断」によって起きます。足場工事は常に危険と隣り合わせであることを意識し、慎重に進めることが重要です。


まとめ

足場工事は、現地調査から資材搬入、組立、点検、解体といった一連の流れを経て進められます。その過程で最も重視すべきは、やはり「安全管理」です。足場は作業員だけでなく、建物周辺の住民や通行人の安全にも直結します。

正しい手順と管理を徹底することで、事故のない現場環境を実現できるのです。

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