通信工事の流れと施工のポイント 〜現場で求められる準備・施工・確認とは〜

こんにちは!
今回は、通信工事の実際の流れや現場での重要なポイントをわかりやすく解説していきます。
LANや光回線、防犯カメラ、インターホンなど、通信設備の設置は「ただ配線すれば終わり」ではありません。建物や用途、他業種の工事との兼ね合いを考えながら、正確で安全な施工が求められる、非常に繊細な作業です。
この記事では、通信工事の基本的なフローと、それぞれの工程で気をつけるべき点を中心にお伝えします。
1. 通信工事の主なフロー
通信設備の工事は、一般的に以下のような流れで進行します。
- 現地調査・打ち合わせ
- 設計・施工図作成
- 資材手配・工事準備
- 配線・機器設置
- 動作確認・試験
- 引き渡し・報告書作成
順番に見ていきましょう。
2. 現地調査・打ち合わせ
工事の第一歩は、現場の把握と関係者との情報共有です。
- 既存設備の有無
- 他業種(電気・空調・内装など)との取り合い
- 通線経路や壁・床の構造
- 電源の確保状況
- 機器の設置スペース
これらを確認することで、施工上の障害や変更リスクを事前に潰すことができます。
また、設置する機器の仕様やユーザーの希望(例:ルーターの設置場所、防犯カメラの視野など)もこの段階で擦り合わせておきます。
3. 設計・施工図作成
調査の情報をもとに、施工図や配線図を作成します。
- LANや光ファイバーの通線ルート
- 中継器や接続端子の位置
- 機器の電源供給のルート
など、建物の平面図・系統図と照らし合わせながら設計します。
この段階では、将来の拡張性や保守性も考慮することが重要です。特に企業や店舗では、設備の増設や再配置が見込まれることが多いため、無理のないルートや余裕のある配管・ラックの使用が推奨されます。
4. 資材手配・工事準備
図面が固まったら、資材の選定と手配に移ります。
主に用いられる資材・機器には以下のようなものがあります:
- LANケーブル(Cat6以上が主流)
- 光ファイバーケーブル
- 通信ラック・配線ダクト
- 分配器、ハブ、ONU
- 無線アクセスポイント
- PoE機器(電源供給型)
- 通信機器(防犯カメラ、インターホン、通信盤 など)
また、作業にはスケジュール調整も重要です。他業種の工程との干渉を避けるため、内装・電気・空調との連携が必要になるケースも多く、事前に工程会議へ参加することもあります。
5. 配線・機器設置作業
ここが通信工事のメインとなる工程です。
🔹 配線作業
- 通線用のモールや配管を経由し、LAN・光ケーブルを引き込みます。
- ケーブルの曲げ半径や最小間隔を守り、ノイズ対策や断線防止に留意。
- 既設配管を使う場合は、既存線との干渉や収容本数にも注意が必要です。
🔹 機器の設置
- ルーター・HUB・サーバーなどはラックに収納。
- 防犯カメラは視野を考慮して設置角度を調整。
- インターホンは目線の高さと利便性を意識。
この工程では、電源との接続確認や取付強度も重要なチェックポイントです。
6. 動作確認・試験
すべての機器と配線が完了したら、動作確認とテストを行います。
- 通信速度の測定(LAN/光)
- IPアドレスの設定・確認
- カメラ映像の表示確認
- インターホンの通話テスト
- 無線アクセスポイントの電波範囲チェック
また、トラブルを未然に防ぐため、実際の利用を想定したテスト(複数端末の同時接続やネットワーク切り替えなど)も有効です。
7. 引き渡し・報告書作成
最後に、工事完了報告書や写真付きの竣工図を作成し、お客様や元請けに引き渡します。
この際、以下のような資料が求められることがあります:
- 配線図・系統図
- 機器仕様一覧
- 動作確認記録
- 保証期間や連絡先一覧
報告が丁寧であればあるほど、信頼と次の仕事につながる可能性が高くなります。
8. 現場で求められる「3つの力」
最後に、通信工事において特に大切とされる3つの力を紹介します。
① 段取り力(=トラブルを防ぐ力)
現場に入る前の調査・連携が8割の成果を決めます。
② 柔軟対応力(=他業種との連携)
設備工事・電気工事・内装など、様々な業者と同時進行になる現場も多く、協調性が求められます。
③ 技術理解力(=仕組みを理解して正しく施工)
見えない部分の工事だからこそ、「なぜこう配線するのか」「電波や信号の特性はどうか」などを理解しておくことが信頼につながります。
まとめ
電気通信工事は、情報インフラを支える重要な役割を担っています。
一つ一つの工程に丁寧に向き合い、施工精度や安全性を意識することで、建物全体の利便性や信頼性が大きく向上します。