電気工事に必要な資格と職種~知っておきたい役割と法律の基礎~

電気工事は、国家資格が必要な専門分野です。建設業に関わる営業や現場担当者としても、「誰がどの作業をできるのか」を正しく把握しておくことは、安全性の確保や法令違反の防止に直結します。
今回は、電気工事に必要な資格と、現場で関わる主な職種についてわかりやすく解説します。
なぜ資格が必要なのか?
電気工事には、感電・火災・漏電などのリスクが常に伴います。
そのため、作業内容によっては法令(電気工事士法・電気事業法など)により、資格を持った技術者しか作業してはいけないと定められています。
万が一、無資格の作業で事故が起きれば、会社や発注者も責任を問われかねません。営業としても「その作業は誰ができるのか」「どんな資格が必要なのか」を押さえておくことが重要です。
主な電気工事関連資格
電気工事に関わる代表的な資格は、以下のとおりです。
① 第二種電気工事士
対応範囲:
住宅や店舗などの600V以下の一般電気設備(低圧)に関する工事が可能。新築やリフォーム時のコンセント・照明の設置などが対象です。
特徴:
電気工事の中では最も取得者が多く、現場でのベースとなる資格。実技試験があり、工具の取り扱いも求められます。
② 第一種電気工事士
対応範囲:
第二種の範囲に加え、最大500kW未満の工場・ビルなどの自家用電気設備(高圧)まで対応可能。
特徴:
高圧機器や分電設備を扱う現場では必須となることが多く、責任ある立場での業務や管理者ポジションにも求められます。
③ 電気主任技術者(第三種・第二種・第一種)
対応範囲:
事業所などで使用される**高圧電力設備(自家用電気工作物)**の保守・点検・管理を行うための資格。
特徴:
工場や大型施設などでは、一定の電気容量を超えると必ず設置が義務付けられる。実務経験や学歴が要件になるため、ハードルは高め。
④ 電気工事施工管理技士(1級・2級)
対応範囲:
電気工事の施工計画・現場管理・品質管理・安全管理などを行う技術者。
特徴:
特に公共工事や大規模工事では、この資格の有無が入札条件になるケースもあり、元請・下請問わず需要が高い。
営業担当者が入札案件に関わる場合は、配置技術者の条件に注意が必要です。
⑤ 認定電気工事従事者/その他
- 認定電気工事従事者: 高圧のケーブル工事(非常用発電機やキュービクルなど)に必要。
- 消防設備士(甲種4類): 自火報などの設備設置に必要。
- 工事担任者: 通信設備・電話・インターネット配線に関わる場合に必要。
電気工事に関わる主な職種と役割
電気工事の現場では、さまざまな職種の専門家が連携して工事を進めます。以下は代表的な職種とその役割です。
◾ 電気工事士(第一種・第二種)
実際に現場で配線・結線・機器設置などを行う技能者・作業員。
法律で定められた範囲の作業を安全に、正確に実施する現場の要です。
◾ 現場代理人・主任技術者(施工管理技士)
工程管理・品質管理・安全管理など、現場全体を統括するポジション。
元請や顧客との調整、書類作成、安全書類の提出なども担当します。
◾ 設計担当(社内・外注)
顧客の要望に応じて電気設備の仕様や配線ルートを設計します。
CADやBIMを使った図面作成が主で、他設備との干渉も考慮されます。
◾ 電気主任技術者
高圧受電設備などを持つ施設では、定期的な点検・監督・報告業務が義務づけられており、その責任者を担います。
営業職が知っておくべきポイント
営業や見積もりに関わる人は、以下のような観点を意識すると信頼度がアップします。
- どの工事にどの資格が必要かを判断できる
- 誰を現場に手配すべきかを的確に説明できる
- 顧客に「法令順守で安全に工事しています」と伝えられる
無資格作業による事故やトラブルは、信頼を大きく損ないます。
提案段階から「資格者が対応します」と明示することで、安心感とプロ意識を印象づけられます。
まとめ
電気工事は、高い技術と責任が求められる分野です。
だからこそ、作業内容に応じた資格保有者を適切に配置することが、安全性・品質・信頼につながります。
営業としても、資格の種類と職種の役割を理解しておくことで、より的確な提案と調整が可能になります。
次回は「安全管理と法令遵守」について、電気工事におけるリスクとその防止策を解説します。