電気工事の流れと各工程のポイント ~安全・効率・品質を守るために~

建設現場における電気工事は、工程ごとに綿密な計画と確かな施工が求められる専門分野です。
今回は、建築プロジェクトにおける電気工事の一般的な流れと、それぞれの工程で押さえておきたいポイントや注意点を、営業・現場関係者向けにわかりやすくまとめました。
電気工事は「段取り」がすべて
電気工事は、建物の「骨格」ができる前後で関わるため、他業種との調整力が求められる分野です。
「ただ電線を通す」だけでなく、「いつ・どこに・どの順で」作業するかが、工事全体の効率と安全性に直結します。
一般的な電気工事の流れ
以下は、一般的な建築現場での電気工事の流れです。
現場の規模や工事内容によって多少の前後はありますが、全体像として押さえておきましょう。
① 施工図・設計の確認
最初のステップは、設計図面の読み込みと施工図の作成です。
電気工事は建築・設備・内装など他職種との調整が多いため、干渉箇所や資材の搬入経路なども事前に確認します。
🔧 ポイント:
- 図面上で配線ルートと設備位置を明確化
- 分電盤や配管ルートのサイズと仕様をすり合わせ
- 各種届出(高圧設備など)が必要な場合は早めに準備
② 配管・配線の施工(隠蔽工事)
建物の骨組みが立ち上がってきた段階で、壁や天井の中に電線を通す「隠蔽(いんぺい)工事」を行います。
この段階では、設備の正確な位置決めと、安全な施工が重要です。
🔧 ポイント:
- 壁や床下の配線ルートは他業種(設備・大工)と干渉しやすい
- 適切な曲げ半径・支持間隔を守ることで施工後のトラブルを防止
- コンジットやPF管の選定も用途に応じて使い分け
③ 分電盤・配電設備の設置
配線が完了したら、電源の中枢となる分電盤や制御盤の設置を行います。
工場やビルでは、キュービクル式高圧受電設備を設置するケースもあります。
🔧 ポイント:
- 分電盤の据付けは水平・垂直を厳密に確認
- ラベル貼付や回路表示など、後のメンテナンスを見越した配慮が重要
- 省エネ機器や非常用回路など、近年は多機能化が進んでいる
④ 機器の取り付け(露出工事)
内装工事が進んだ後、照明器具・コンセント・スイッチなどの機器を設置します。
「見える部分」になるため、仕上がりの美しさも重要な要素です。
🔧 ポイント:
- 壁紙・天井仕上げとの干渉に注意
- 設置位置は図面通りでも、実際の使い勝手を意識した調整も必要
- ネジの締め忘れ、傾きなどはクレームに直結するので最終チェックを徹底
⑤ 検査・試運転・竣工
最後に、絶縁抵抗測定や導通試験などの検査を行い、電源投入・試運転を経て竣工となります。
官公庁や高圧設備を含む工事では、第三者機関による検査が必要な場合もあります。
🔧 ポイント:
- 試験結果は記録として必ず残す
- トラブルが出た場合は早期対応と原因分析を
- 竣工時に顧客へ説明・引き渡しマニュアルの提示も重要
営業職が押さえておきたいポイント
営業担当として電気工事に関わる場合、以下の点を意識しておくと提案力が高まります。
- 各工程のタイミングを把握して、段取り良く提案・調整ができる
- 工事内容を理解しておくことで、無理・無駄のない見積りが可能
- 工程ごとにリスクや顧客からの質問が変わるため、適切な情報提供がしやすくなる
現場を知らずに提案するよりも、全体の流れを理解している営業は信頼されやすく、工事後のフォローや追加受注にもつながります。
まとめ
電気工事は、ただ配線するだけでなく、建物の機能や安全を支える重要な役割を担っています。
各工程での適切な施工と、他業種との連携、そして営業サイドの理解と提案力が揃ってはじめて、質の高い工事と顧客満足が実現します。
次回は、こうした工事を支える「電気工事士の資格やスキル」について詳しく解説します。