建設業に必要なのはDXか、それとも現場力か

――二択で考えると失敗する理由
近年、建設業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が大きなテーマになっています。
国土交通省もDX推進を進めており、
・電子化
・クラウド活用
・AI活用
・ICT施工
などが急速に広がっています。
一方で現場からは、
「結局は現場力が大事だ」
という声も少なくありません。
確かに建設業は現場で品質が決まる仕事です。
どれだけシステムが進化しても、
最後は人が施工し、人が管理し、人が判断します。
では、
建設業に必要なのはDXなのでしょうか。
それとも現場力なのでしょうか。
実はこの問い自体が、
大きな落とし穴かもしれません。
今回は、DXと現場力の関係について考えてみます。

■ ① DX派と現場力派の対立
建設業ではよく、
二つの考え方が対立します。
DX派
・効率化が必要
・人手不足対策になる
・情報共有が進む
・AIを活用すべき
現場力派
・経験が重要
・現場を知らないと意味がない
・技術は人が支える
・道具より人材育成
どちらも間違ってはいません。
しかし、
どちらか一方だけを重視すると問題が起こります。
■ ② DXだけでは現場は回らない
近年は様々なシステムが登場しています。
例えば、
・施工管理アプリ
・AI議事録
・工程管理ソフト
・クラウド共有
などです。
確かに便利です。
しかし、
システムが工程を管理しても、
現場で施工するのは人です。
例えば、
図面通りにいかない状況や、
想定外のトラブルが発生した場合、
最後に判断するのは現場担当者になります。
つまり、
DXだけで現場が良くなるわけではありません。
■ ③ 現場力だけでも限界がある
一方で、
現場力だけに頼る会社も課題があります。
例えば、
・情報が属人化する
・引継ぎが難しい
・若手育成に時間がかかる
・業務効率が上がらない
などです。
特に近年は、
人手不足が深刻化しています。
以前のように、
「経験でカバーする」
だけでは乗り切れない時代になっています。
現場力は重要ですが、
仕組み化も同時に必要です。
■ ④ DXの本当の目的は現場を楽にすること
DXという言葉を聞くと、
システム導入が目的になりがちです。
しかし本来の目的は違います。
DXは、
現場を楽にするための手段
です。
例えば、
・議事録作成時間削減
・写真整理自動化
・工程共有
・報告業務効率化
などです。
現場担当者が本来やるべき仕事に集中できるようにする。
それがDXの価値です。
■ ⑤ 現場力の価値は今後さらに高まる
AIが進化すると、
現場力は不要になるのでしょうか。
答えは違います。
むしろ今後は、
現場力の価値が高まる可能性があります。
なぜなら、
AIは情報を整理できますが、
現場で判断はできないからです。
例えば、
・安全判断
・職人調整
・施主対応
・緊急対応
などは人の仕事です。
経験を持つ人材の価値は今後も変わりません。
■ ⑥ 強い会社は両方を持っている
実際に成長している建設会社を見ると、
共通点があります。
それは、
DXと現場力を両立していることです。
例えば、
・情報共有はデジタル化
・現場判断は経験者
・教育は仕組み化
・工程管理はシステム化
などです。
つまり、
DXが現場力を支え、
現場力がDXを活かしているのです。
■ ⑦ 本当に必要なのは「選ぶこと」ではない
DXか現場力か。
多くの会社がこの二択で考えます。
しかし実際には、
選ぶものではありません。
必要なのは、
どう組み合わせるかです。
AIやDXは年々進化します。
しかし現場で培われる経験や判断力も必要です。
どちらかを否定するのではなく、
両方を活かす会社が強くなります。
■ まとめ
建設業に必要なのは、
DXか現場力かではありません。
本当に重要なのは、
DXと現場力を融合させること
です。
・DXは効率化を支える
・現場力は品質と安全を支える
この二つが揃って初めて、
強い建設会社になります。
これからの時代は、
システムだけでも、
経験だけでも生き残れません。
DXを活かせる現場力。
そして現場力を支えるDX。
その両輪を持つ会社こそが、これからの建設業をリードしていくのではないでしょうか。