フローリング張替え工事の基本と実務ポイント―下地調整から仕上げまで徹底解説

フローリング張替え工事は、内装リフォームの中でも依頼数が多く、仕上がりの満足度が大きく左右される工事です。特に既存住宅では「既存床の劣化状況」「下地の痛み」「施工条件」が現場ごとに変わるため、工事会社や職人にとっては確実な調査と丁寧な段取りが欠かせません。本記事では、工事会社向けにフローリング張替え工事の流れや下地処理、注意点を1700字でまとめます。
■1.フローリング張替え工事が必要になる主な原因
一般的な化粧フローリングの耐用年数は10〜20年とされ、以下のような症状が出ると張替えを検討する時期です。
- 歩行時の沈み(下地の劣化)
- 床鳴り(根太の緩みや下地の動き)
- 表面の剥がれ、キズ、変色
- 水回り周りの腐食(洗面・キッチン・脱衣所周辺)
これらは現場調査段階でほぼ判断できますが、解体後に隠れた腐食が露出するケースも非常に多く、追加工事の説明が必要になる点がポイントです。
■2.施工前の調査(現場でのチェックポイント)
張替え工事の成否は「事前調査」で決まると言っても過言ではありません。最低限、以下の点を現場で確認しておく必要があります。
●① 既存材の種類を確認
無垢材なのか、複合フローリングなのか、直貼りか二重床かを判断。
直貼りは撤去の手間がかかり、木下地が無い場合は合板増し貼りが必要になるケースもあります。
●② 床のレベル(不陸)測定
3mm以上の不陸は要補修。
沈みがある場合は「根太」「合板」どちらの問題か切り分けます。
●③ サッシや建具のクリアランス
増し貼りの場合は特に重要。
扉の干渉、見切り処理、段差の発生はお客さまのクレームにつながりやすい部分です。
●④ 水回り周辺の湿気・腐食
洗面所やキッチンは床下腐食が定番。
合板がフワフワしている時は張替え必須です。
■3.工事の流れ(実務工程)
【STEP1】既存床材の撤去
バール・スクレーパーを使い、根太や合板を傷つけないよう丁寧に撤去します。
直貼りフローリングは糊が強く、撤去に時間がかかるため、事前に工期に余裕を持つことが重要。
廃材は細かく割れるため、ゴミ袋量が増えやすい点にも注意が必要です。
【STEP2】下地の点検と補修(最重要工程)
ここが職人の腕の差が出るポイントです。
- 根太の緩み → ビス止めで補強
- 合板の劣化 → 12mm合板を増し貼り
- 防腐処理 → 腐食がある場合は木部保護材を塗布
- 不陸調整 → パテ・合板で調整
床鳴り対策では「束」や「大引き」の状態も合わせて確認し、必要なら補強します。
下地処理は仕上がってから見えない部分ですが、ここを疎かにすると後々クレームの原因になりやすいため、丁寧な施工が必須です。

【STEP3】新規フローリング張り(貼り方向・ジョイント調整)
一般的には「部屋の長辺方向」または「入ってきた光が並行方向」に合わせて貼ります。
実務のポイントは以下:
- エンドマッチ材は必ずジョイント部をずらす
- 壁際に5〜10mmのクリアランスを確保(伸縮対策)
- フロアタッカーの角度を一定にし、釘頭を出さない
- 接着剤は根太間に均一に塗布し、浮きを防ぐ
巾木が再利用できない場合は新規交換もセットで提案しておくのがベストです。
【STEP4】見切り・建具調整
既存枠との取り合いは丁寧に。
- 玄関との段差
- クッションフロアとの見切り
- 脱衣所の防水立ち上がり
- 戸当たりゴムの調整
特にドアの開閉調整は、お客様が最初に気づくポイントなので、必ず確認します。
【STEP5】清掃・養生撤去・完了確認
最後にワックス不要タイプであれば乾拭き仕上げ、ワックスタイプなら初期塗布まで対応。
施工後の「床鳴りチェック」「ジョイントの浮き確認」は必ず行います。
■4.材料選びのポイント(お客様への提案に役立つ)
●耐水フローリング
洗面やキッチン周りには必須。
従来より薄型で施工性が良く、張替え工事との相性も良い。
●防音フローリング
マンション向け。
しかし張替えの制限が多いので、事前に管理規約の確認が必ず必要。
●無垢材フローリング
高級感は抜群だが、伸縮が大きい。
施工精度と湿度管理が重要。
工事会社としては、用途と予算に合わせて最適なグレードを提案すると成約率が高まります。
■5.工事会社としての注意点(クレーム防止)
- 「増し貼り」ができない現場を事前に判断
- 下地腐食で追加工事になるケースを説明
- 施工中の粉塵対策を徹底(家具がある現場は特に)
- 廃材量が多い工事なので、処分費を正確に見積もる
フローリング張替えは簡単に見えて、実際は判断力が求められる工事です。
現場調査で正しい判断をし、丁寧な下地調整を行うことで「仕上がりの美しさ」と「床鳴りの少ない品質」を実現できます。