トイレ交換工事の基本――調査・見積・施工で押さえるべき実務ポイント

トイレ交換工事は水回りリフォームの中でも依頼数が多く、工事会社にとって収益化しやすい分野です。しかし、既存設備の状況や床下の状態、排水方式の違いによって作業時間や必要部材が大きく変わるため、「現場事前調査」と「施工手順の正確さ」が利益を左右します。本記事では、これからトイレ交換工事を扱う工事会社・職人向けに、基本流れと実務ポイントを1700字でわかりやすく解説します。


目次

1. トイレ交換工事の前に行うべき調査ポイント

① 排水方式(床排水/壁排水)

最も重要なのが排水方式の確認。

  • 床排水: 120・200・305・400mmなど芯寸法のばらつきが多く、リモデルタイプの便器かリフォームアジャスターで調整。
  • 壁排水: 120mmが多いが、まれに155mmもあるため採寸必須。

誤った寸法で便器を発注すると施工不可となり、工期遅延・損失につながります。必ずレーザー・スケールで正確測定。

●② 給水位置と止水栓の状態

古い住宅では給水位置が低い・曲がっているなどそのまま使えないこともあります。特に

  • 止水栓固着
  • サビ・腐食
  • 壁中への水漏れ
    などは追加作業に直結するため、写真付きで説明することでクレーム防止になります。

●③ 床材(クッションフロア・フローリング)の傷み

便器交換と合わせて床の張替えを希望されるケースも多いため、事前に床の浮き・腐食・軟弱箇所をチェック。場合によっては根太補強や下地補修が必要です。

●④ ウォシュレット用の電源の有無

新設する場合は電気工事士によるコンセント増設が必要なため、事前説明が重要。


2. トイレ交換工事の基本施工手順

① 止水・既存便器の取り外し

まず止水し、タンク・便器・ウォシュレットを順に取り外します。
注意点: フランジ周りの汚れ・臭気を確認しておくと、施工後のトラブル予防に役立ちます。

② 排水フランジの確認

床排水の場合、既存フランジが破損している、ボルトが折れている、床が腐っているというケースは珍しくありません。

  • フランジ破損 → 交換
  • ボルト折れ → ボルト再設置
  • 床の沈み → 下地補修
    これらは追加作業として説明できるよう、写真記録が重要です。

③ 新しい排水アジャスター・フランジの取り付け

リモデルタイプの便器を使用する場合は、適切な芯寸法になるよう位置調整を行います。
このとき水平器での確認を怠ると、便器のガタつきや排水逆流の原因になります。

④ 便器本体の設置

便器を置いたら、固定ボルトを均等に締め付けます。
ポイント:
強く締めすぎると陶器の割れにつながるため、「締めすぎない」が鉄則。

⑤ タンク・ウォシュレットの取り付け

メーカーの施工説明書に従い、給水接続・分岐金具の取り付け・コンセント接続を行います。

特に最近のウォシュレットは電装部分が複雑になっているため、無理な力で装着すると破損につながります。

⑥ 水漏れチェック(必須)

  • 給水接続部
  • 便器と床の接合部
  • ウォシュレット分岐部分
  • タンクの停止位置
    これらをすべて確認。
    目視だけでなく、キッチンペーパーで当てて確認すると微細漏れも発見できます。

3. トイレ交換でよくあるトラブルと防止策

●① 水漏れ(特にフランジ周り)

原因:パッキンずれ、フランジ破損、水平不良
水平確認+フランジ交換+ボルトチェックで防止

●② 臭いが消えない

原因:床下からの臭気漏れ、配管の不具合
→ フランジ部分の密着確認、ガスケットの正しい挟み込みが必須

●③ 排水の流れが悪い

原因:勾配不良や排水芯のズレ
→ 現場調査で芯寸法・既存配管の状況を正確に把握することが重要

●④ 床のガタつき

便器交換をきっかけに床の劣化が判明するケースが多い。
→ 下地補修を見積時に説明し、追加費用トラブルの回避を。


4.初心者工事会社が押さえるべきポイント

  • 事前調査を写真で残す(トラブル減少・追加説明がしやすい)
  • メーカー取付説明書の確認(機種ごとに接続位置が違う)
  • 排水芯寸法のミスをなくす(最重要)
  • 水漏れチェックは5分以上行う
  • 古い設備ほど追加工事の可能性が高い

これらを徹底するだけで、クレーム率は大幅に下がり、生産性も向上します。


5. まとめ:トイレ交換工事は“調査8割・施工2割”

トイレ交換は一見シンプルですが、排水、給水、床、電気と複数の要素が絡む工事です。事前調査の精度を上げることで、追加作業の見落としを防ぎ、正確な見積り・安定した利益確保につながります。

初心者の工事会社でも、手順を標準化し、調査と記録を徹底すれば、トイレ交換は非常に取り組みやすい工事になります。ぜひ本記事を参考に、現場の品質向上と効率化を進めてみてください。

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