室内足場工事の基本と注意点――安全で効率的な作業を支える現場の工夫

建物の改修や天井配管、内装リニューアルなどで欠かせないのが室内足場工事です。
屋外足場とは異なり、狭い空間での作業が多く、搬入・設置・安全管理に細心の注意が必要です。
この記事では、室内足場の種類や施工の流れ、安全管理のポイントを実務目線で解説します。
■ 室内足場とは?
室内足場とは、建物内部の高所作業を安全に行うための仮設構造物です。
天井や梁まわりの塗装、配線、ダクト・空調機器の設置、照明交換など、
人が安全に作業できる足場面を確保するために設置されます。
屋外足場と違って、限られた空間で作業するため、
安全性と作業効率の両立が求められるのが特徴です。
■ 室内足場の主な種類
現場の広さや作業内容によって、選定する足場の種類は変わります。
- 可搬式足場(ローリングタワー)
キャスター付きで移動が簡単なタイプ。天井照明の交換や軽作業に最適。
ただし、床の段差や傾斜がある場所では使用に制限があるため、水平確認が必要です。 - 単管足場
単管パイプとクランプで組み上げるオーソドックスなタイプ。
形状自由度が高く、複雑な現場や高天井にも対応できますが、
安全帯の掛け方や強度計算に注意が必要です。 - 枠組足場(狭所用タイプ)
組立スピードが早く、部材の安定性が高いタイプ。
体育館や工場など大空間の天井改修で多く採用されています。 - アルミ製・折りたたみ式足場
軽量で持ち運びが容易なため、内装工事業者に人気。
ただし耐荷重は低めのため、複数人での同時作業は避けるのが基本です。

■ 室内足場工事の施工手順
現場の実務では、次のような流れで作業が進みます。
① 現場確認・計画立案
まずは作業範囲、高さ、床材の強度、搬入口などを確認。
図面や現場写真を基に、足場の種類と配置計画を決めます。
② 養生・部材搬入
建物内部では床や壁を傷つけないように養生が必須。
部材搬入は人の動線を確保し、通路を塞がない工夫が大切です。
③ 組立・水平確認
組立中は常に水平器でレベルを確認。
特にキャスター付き足場では、わずかな傾きでも転倒リスクが高まります。
④ 安全点検・使用前確認
足場の揺れ・部材緩み・手すりの固定をチェック。
点検結果を作業責任者が記録に残すことが求められます。
⑤ 解体・撤去・清掃
解体時も上から順に安全に。ボルト緩みや部材落下防止を徹底し、
撤去後は清掃までを一貫して行うことで信頼度が高まります。
■ 安全管理のポイント
室内足場では、外部足場よりもヒューマンエラーによる事故が多いのが実情です。
特に以下の点は常に意識しておきましょう。
- 作業員全員が安全帯・ヘルメットを正しく着用しているか確認
- 通路・階段・出入口を足場部材で塞がない配置計画
- 床養生や足場下の落下防止ネットの設置
- 他職種との同時作業を避け、作業エリアを明確に区分
- 室内照明・換気の確保(特に工場・地下現場など)
また、安全点検は毎日実施・記録化が理想です。
一見小規模な現場でも、転倒・墜落事故が発生すれば重大な責任を負うことになります。
■ まとめ
室内足場工事は、「ただ組んで終わり」ではなく、
安全性・効率性・他業種との調整力が問われる重要な作業です。
現場ごとに適した足場の選定と安全管理を徹底することで、
作業ミスや事故を防ぎ、信頼される施工につながります。
特に今後は、天井改修や設備更新などの改修案件が増える傾向にあり、
室内足場の技術・段取りを習得しておくことが、
中小工事会社にとって大きな強みとなるでしょう。