塗装工事の基本工程 ~現地調査から完成まで~

建物の外壁や屋根の塗装は、ただ色を塗り替えるだけではありません。
塗装工事は「建物を守る工事」であり、そのためには正しい手順に沿って丁寧に進める必要があります。
今回は、塗装工事がどのような流れで進んでいくのかを、実際の現場をイメージできるように解説していきます。


1. 現地調査・診断

塗装工事はまず「現状を正しく知ること」から始まります。
専門の職人や施工管理者が現地に赴き、以下の点をチェックします。

  • 外壁や屋根の劣化状況(ひび割れ・チョーキング・剥がれなど)
  • 素材の種類(モルタル・サイディング・金属・スレートなど)
  • 立地条件(日当たり・湿気・周辺環境)
  • 必要な修繕の有無(下地補修やシーリング打ち替えが必要か)

この診断結果をもとに、最適な塗料の種類や工事内容、見積もりが決定されます。
調査が不十分なまま工事に入ると「数年で剥がれる」といったトラブルにつながるため、もっとも大切な工程のひとつです。


2. 足場の設置・養生

工事に入る前に、作業の安全性と仕上がりの美しさを確保するために足場を設置します。

  • 足場設置:安定した足場は作業効率を高めると同時に、職人の安全を守ります。
  • 飛散防止ネット:塗料の飛び散りを防ぎ、周囲の車や建物を保護します。
  • 養生作業:窓、ドア、植木、自動車など塗装しない部分をビニールやテープで覆います。

この養生の丁寧さが、最終的な仕上がりの印象を大きく左右します。


3. 高圧洗浄

塗装の前には必ず外壁や屋根をきれいに洗浄します。
高圧洗浄機で苔・カビ・汚れ・古い塗膜をしっかり落とすことで、新しい塗料がしっかり密着します。

もし洗浄を怠ると、塗装しても数年で剥がれてしまう可能性が高まるため、非常に重要なステップです。
乾燥時間をしっかり取ることもポイントで、天候や季節によっては1~2日空けることもあります。


4. 下地処理・補修

建物は年数が経つと、細かなひび割れやコーキングの劣化が見られます。
この状態を放置したまま塗装しても、見た目は一時的にきれいになってもすぐに再劣化してしまいます。

主な下地処理は以下の通りです。

  • クラック補修:外壁のひび割れを専用材で埋める。
  • シーリング打ち替え:劣化したコーキングを撤去し、新しいものに交換。
  • ケレン作業(金属部分のサビ落とし):鉄部や屋根のサビを削り落とす。

この下地処理を丁寧に行うことで、塗装の耐久性が大幅に向上します。


5. 下塗り・中塗り・上塗り

いよいよ塗装本番です。基本は 3回塗り が標準とされています。

  1. 下塗り
    素材と塗料を密着させるための「接着剤」の役割。吸い込みを抑えて、仕上がりを均一にする効果もあります。
  2. 中塗り
    耐久性や防水性を確保するための層。色や厚みを安定させる重要な工程です。
  3. 上塗り
    最終的な仕上がりを決定づける層。光沢や色の鮮やかさ、美観を守る効果があります。

この三層構造により、建物は紫外線・雨風から長期間保護されるのです。


6. 最終チェック・検査

塗装が終わったら、仕上がりを入念に確認します。

  • 塗りムラや気泡がないか
  • 塗り残しがないか
  • 養生部分がきれいに撤去されているか
  • 雨樋や窓枠など細部まで美しく仕上がっているか

施工会社によっては「社内検査」と「施主検査」の二重チェックを行い、問題があれば手直ししてから引き渡します。


7. 足場解体・清掃・引き渡し

最終検査が完了すると、足場を解体して現場をきれいに清掃します。
周辺の道路や敷地に塗料の飛び散りがないかも確認し、きれいな状態で施主へ引き渡します。

工事完了後には保証書を発行する会社も多く、保証期間中に不具合があれば無償で補修してもらえる場合があります。


目次

まとめ

塗装工事は「ただ塗るだけ」ではなく、
調査 → 足場・養生 → 洗浄 → 下地処理 → 3回塗り → 検査 → 引き渡し
という丁寧な流れで進められます。

それぞれの工程がしっかり行われて初めて、耐久性が高く、美しい仕上がりを長く維持できるのです。
これから塗装を検討される方は、見積もりや説明を受ける際に「この流れがきちんと含まれているか」を確認すると安心です。

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