格付けって何?入札ランクと受注チャンスの関係を解説

公共工事を受注する上で、避けて通れないのが「格付け(ランク)」です。
「うちはCランクだから仕事が来ない」「Aランクにならないと意味がない」
そんな声を聞くこともありますが、実はこの“格付け”、きちんと仕組みを理解すれば、中小企業でも十分にチャンスがある制度です。

今回は、入札における格付けの基本と、ランクごとに狙うべき戦略をわかりやすく解説します。


■ 格付け(入札参加資格ランク)とは?

格付けとは、国や地方自治体が「どの規模・能力の会社に、どのくらいの規模の工事を任せられるか」を判断するために行っているランク分けです。

通常は「Aランク」「Bランク」「Cランク」「Dランク」などに分かれ、それぞれに応じた規模・難易度の工事が割り当てられます。
ランクは、以下のような要素をもとに決まります。

  • 経営事項審査(経審)の総合点(P点)
  • 過去の施工実績(完成工事高など)
  • 地元企業としての実績・地域性加点
  • 工事成績評定(過去の評価)

自治体によって基準は多少異なりますが、「実績」+「経営の安定性」+「技術力」などが総合的に評価されてランク付けされます。


■ ランクが高いと何が違うの?

格付けが高いと、より大きな工事・予算規模の案件に入札できるようになります。
たとえば、以下のように分けられることがあります(例:市区町村レベル):

ランク対象工事規模
A1億円以上の大型工事
B5000万~1億円規模
C1000万~5000万円程度
D1000万円未満の小規模工事

ただし、「Aランク=絶対的に有利」かというと、そう単純でもありません。
案件の件数は、実はC・Dランク向けの小規模工事の方が圧倒的に多い自治体も少なくないからです。


■ 中小企業でも狙える!ランク別の戦略とは?

● C・Dランクの企業向け:小回りと地元密着で勝負

  • ライバルが少ない案件(地元限定)を積極的に狙う
  • 単価契約・随意契約など、年間を通じて継続的な収益になる案件も多い
  • 災害対応協定や市の事業に協力することで、地域貢献が評価されやすい

公共工事に不慣れな企業がまず目指すなら、この層の工事から参入するのが現実的であり、十分にメリットがあります。

● Bランク企業向け:安定した実績づくりを意識

  • 地場ゼネコンと協力して、工事成績を積み上げていく
  • 定期的な経審対策(完工高、技術職員の確保など)でAランクを目指す土台づくり
  • 地元行政だけでなく、近隣自治体にも広げて案件を分散

Aへのステップアップを見据えつつ、無理のない規模の案件を着実に受注していくのがポイントです。

● Aランク企業向け:高度な競争と信用力の維持がカギ

  • 工事成績やISO取得など、入札条件が厳しくなる分、信頼性が重要
  • 単価契約やJV(共同企業体)での入札など、営業・交渉力が問われる場面も
  • 全国対応・広域展開を目指す場合には、より高いレベルでの経審対策が必要

また、Aランクの工事は大きな利益が見込める反面、赤字になるリスクもあるため、綿密な積算と施工管理が求められます。


■ 「ランクが低い=不利」は思い込み?

格付け制度は「会社の力に合った案件を任せる」という考え方がベースです。
ですので、たとえDランクの企業でも、無理なく対応できる仕事があり、信頼と実績を積み上げる場として有効に機能しています。

また、多くの自治体では、ランクが低くても災害対応、日常的な修繕、定期点検などを重視する傾向があります。
このような案件を着実にこなし、工事成績を上げていくことが、将来のランクアップにもつながっていきます。


■ まとめ:自社の立ち位置を理解し、戦略的に動こう

入札の格付けは、自社の「現在地」を知るための指標です。
むやみに高いランクを目指すのではなく、まずは自社のランクに合った仕事で評価を積み上げていくことが、結果的に次のステップへの近道になります。

公共工事は「長く付き合える顧客」として、非常に安定した市場です。
ランクの仕組みを正しく理解し、自社に合った案件を見極める力を養っていきましょう。

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