防水材の種類と選び方 ~材料別の特徴と使い分け~

建物を長く快適に保つために欠かせない防水工事。その仕上がりと耐久性を左右する重要な要素のひとつが「防水材の選定」です。しかし、防水材には多くの種類があり、それぞれ特性も異なります。この記事では、代表的な防水材の種類と特徴を解説し、施工場所や目的に応じた選び方についてご紹介します。


目次

主な防水材の分類

防水材は、大きく分けて以下の3つに分類されます。

  1. アスファルト系防水材
  2. 樹脂系防水材(液体タイプ)
  3. シート系防水材(ロール状シート)

それぞれの特徴と適した用途を詳しく見ていきましょう。


1. アスファルト系防水材

特徴

アスファルトを主成分とし、フェルトやガラス繊維に浸透させてつくられる防水材です。加熱やトーチによって溶かして施工する「トーチ工法」や、冷工法もあります。

  • 耐久性:高く、15~20年程度の寿命
  • 防水性:非常に高く、厚みがあり安心感がある
  • コスト:やや高めだが、長期的にはコスパ良好

主な用途

  • ビルやマンションの屋上
  • 工場・倉庫の大規模建物
  • コンクリート構造物

メリット・デメリット

メリットデメリット
長寿命・耐候性が高い施工時に煙や臭いが出る
厚みのある仕上がり重量があり、構造によっては不向き

2. 樹脂系防水材(ウレタン・FRPなど)

ウレタン防水

液状のウレタン樹脂を塗布して硬化させる防水材です。複雑な形状にも対応でき、現場で施工する「塗膜防水」の代表格です。

  • 耐久性:10~15年
  • 防水性:高く、継ぎ目のない仕上がり
  • コスト:中程度

FRP防水

ガラス繊維を含んだ樹脂を塗布・硬化させる防水方法。非常に強固で耐摩耗性に優れており、ベランダや屋上などに多く使用されます。

  • 耐久性:10~12年程度
  • 防水性:高く、軽量
  • コスト:やや高め

主な用途

  • バルコニー・屋上・庇
  • 戸建住宅のベランダ
  • 外階段・廊下

メリット・デメリット(ウレタン・FRP共通)

メリットデメリット
複雑な形状に対応しやすい施工技術によって品質に差が出る
継ぎ目のない仕上がり下地に不具合があると施工に影響
軽量で建物への負担が少ない紫外線に弱く、トップコート保護が必須

3. シート系防水材(塩ビシート・ゴムシートなど)

あらかじめ製造された防水シートを貼り付ける工法で、均一な品質と施工の早さが魅力です。

塩ビシート防水

  • 耐久性:15~20年
  • 防水性:高い、紫外線や薬品にも強い
  • コスト:中~高程度

ゴムシート防水

  • 耐久性:10~15年
  • 防水性:柔軟で追従性が高い
  • コスト:中程度

主な用途

  • ビル・マンション屋上
  • 工場の屋根
  • 太陽光パネル設置部分との相性も良い

メリット・デメリット

メリットデメリット
品質が安定しやすい端部や継ぎ目の処理に注意が必要
施工が比較的スピーディー複雑な形状には不向き
軽量で建物への負担が少ない接着力の低下に注意が必要な場面も

選び方のポイント:どの防水材が最適?

選定の際は以下のようなポイントを考慮するとよいでしょう。

ポイント選定のヒント
施工箇所屋上、ベランダ、庇、外壁など、部位によって適性が異なる
建物の構造重量に耐えられる構造か、軽量性が求められるか
耐用年数長期使用を前提とするならアスファルト系や塩ビシートなど
施工環境・形状複雑形状ならウレタン、平坦で広い面積ならシート系が適す
予算感初期コスト重視か、トータルでの耐久性重視か

まとめ:防水材選びは現場に合った判断が重要

防水材にはそれぞれ強みがあり、万能な素材は存在しません。重要なのは、**「どの場所に・どんな目的で施工するか」**を明確にし、適切な素材を選ぶことです。専門業者と相談しながら、現場に合った最適な選択を心がけましょう。

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