解体工事の流れとスケジュール管理

~安全・効率・信頼をつなぐ段取り力~

こんにちは!
解体工事シリーズの第2回では、実際に解体工事がどのような流れで進んでいくのかを詳しく見ていきます。
解体は、ただ「壊す」だけではなく、その前段階から完了後まで多くの準備や調整が必要です。

特に重要なのが、スケジュール管理と各工程の段取り力
工程がズレれば、近隣とのトラブル、コスト増、次工程(新築・造成など)への影響も大きくなります。

それでは順を追って、解体工事の標準的な流れと、そのポイントを見ていきましょう。


■ 解体工事の大まかな流れ

  1. 現地調査・ヒアリング
  2. 見積もり・契約
  3. 届出・書類手続き
  4. 近隣挨拶・安全対策の準備
  5. ライフライン停止・内部撤去
  6. 足場・養生設置
  7. 本体解体(重機・手壊し)
  8. 基礎解体・整地
  9. 廃材処理・マニフェスト提出
  10. 完了報告・引き渡し

① 現地調査・ヒアリング

最初の工程は、現地の確認と施主へのヒアリングです。

  • 建物の構造や築年数
  • 敷地の広さ、重機が入るか
  • アスベスト含有の可能性
  • 地中埋設物の有無
    などをチェックしながら、見積もりのベースとなる情報を収集します。

この段階で見落としがあると、解体中に想定外の事態が起きることも。
「現場をよく見ておく」ことが、すでに安全対策の第一歩と言えます。


② 見積もり・契約

調査結果をもとに見積書を作成し、施主との契約に進みます。
費用には以下のような項目が含まれます:

  • 仮設工事費(足場・養生シート)
  • 解体作業費(構造別の坪単価)
  • 廃材処理費(再資源化・運搬)
  • アスベスト除去や埋設物撤去の追加費

この段階で、工期や着手予定日・天候リスク・近隣対応の方針なども明確にしておくと後々のトラブルを防げます。


③ 届出・書類手続き

一定規模以上の解体工事には、建設リサイクル法に基づく届出が必要です。

  • 延床面積が80㎡を超える解体工事
  • 施工前7日前までに役所へ提出
  • 解体業者の登録番号も必要

また、アスベスト含有建材がある場合は、事前調査・石綿使用報告書の提出も必須です。

さらに、騒音・振動が一定基準を超える地域では、騒音規制法・振動規制法に基づく届出も行います。


④ 近隣挨拶・安全対策の準備

工事中のトラブルを避けるためにも、近隣住民への事前挨拶は必須です。

  • 工期と作業時間
  • 騒音や粉じんへの対策内容
  • 万が一の損害賠償の体制など

解体工事では特に「音」「粉じん」「振動」が発生しやすいため、信頼関係の構築がスムーズな進行を助けます。

また、この段階で仮囲い・カラーコーン・養生計画・看板設置などの安全対策も整えておきます。


⑤ ライフラインの停止と内部撤去

本体解体の前に、建物内の設備や配線・配管を撤去します。

  • 電気・ガス・水道の停止申請
  • 室内の家具・什器類の処分
  • 内装材(床・壁・天井)の撤去

内部撤去は、手作業中心の工程です。
この段階でアスベストが見つかった場合、専門業者による除去作業が追加されることもあります。


⑥ 足場・養生の設置

解体作業中の落下物や粉じんを防ぐために、足場を組み、養生シートを張る工程です。

特に木造や鉄骨解体では、周囲への飛散リスクが高いため、

  • メッシュシート
  • 飛散防止ネット
  • 消防法の視点からの仮囲い構造

などが求められる場合もあります。
職人や重機オペレーターの安全もここで確保されるため、設置は丁寧かつ確実に行われます。


⑦ 本体解体(重機・手壊し)

いよいよ建物本体の解体に入ります。

  • 木造住宅:重機+手壊しで屋根から順に撤去
  • 鉄骨造:高所作業で梁を切断→崩さずに取り除く
  • RC造:クラッシャーでコンクリを破砕しながら解体

ここでは粉じん・騒音の発生を最小限に抑えながら、安全第一で進める必要があります。
水まき・ダンプ搬出の手順管理も重要なポイントです。


⑧ 基礎解体・整地

地中に埋まったコンクリート基礎を取り除く作業。
ここで問題となるのが、埋設管・古井戸・浄化槽・地中障害物の存在です。

  • 地中から不明な構造物が出てくることもある
  • 追加費用や工期の延長に繋がる場合もある

掘削後は転圧・整地をして、次の工事にバトンタッチできる状態に整えます。


⑨ 廃材の分別・搬出・マニフェスト管理

すべての解体工程を通して、発生した廃材は種類ごとに分別し、適正に処理します。

  • 木材、コンクリ、金属、プラなどを分類
  • 指定業者によって運搬・リサイクル
  • 「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」で追跡管理

建設リサイクル法に基づき、90%以上の再資源化率が求められることもあり、処分の段取りと書類管理も非常に重要です。


⑩ 完了報告・引き渡し

整地完了後、現場の清掃と最終チェックを行い、施主に完了報告・引き渡しします。

このときに以下の内容を伝えると信頼性が増します:

  • 解体範囲・地中物の有無
  • 廃材処理報告(マニフェスト提出)
  • 工事中のトラブルとその対応記録

すべてが完了すると、ようやく次の「建てる」工事が始まります。


■ 解体工事は段取りが命!

解体工事は、準備~解体~処理までが密接に関連しています。
どれか一つでも遅れたり手抜きがあれば、工期全体に影響を及ぼします。

また、近隣との関係性や法令遵守もすべて含めて、段取り=信頼の源泉とも言えます。


■ まとめ

今回は「解体工事の流れとスケジュール管理」をテーマに、各工程の内容や重要ポイントを紹介しました。
この一連の流れは、ただ壊すのではなく、“安全に・正確に・効率的に”壊すための仕組みなんです。

次回は解体の現場で活躍する“縁の下の主役たち”にスポットを当てていきますので、どうぞお楽しみに!

シェア!
  • URLをコピーしました!
目次